格安N8103-130を9260-8iに改造してSATA3対応RAIDアレイを構築する
概要
ニュー・PCを組んで余ったパーツを使ってサーバー用マシンを組んでESXiを導入したが、ESXiはチップセットのソフトウェアRAIDを認識しないようだった。 そこで、RAIDコントローラーを使ったRAIDアレイを構築することにした。
RAIDコントローラーの選定や改造、設定などについてのログ。
モチベーション
ESXiはチップセットのソフトウェアRAIDを認識しない
ESXiってソフトウェアRAID認識しないのか…
— げんまいろえ (@kqlg4) 2019年9月19日せっかくなので、ディスクを足してRAIDアレイを作成したい
やったこと
RAIDコントローラーの選定と入手
色々調べた結果、良さげだなと思ったのはLSI MegaRAID SAS 9260-8i。しかし、これは中古でも数マン超えでかなり高い。
さらに調べた結果、NEC製のN8103-130を選択することにした。理由は以下。
安い
ヤフオクで取り外し品が3000円程度で買える。ひと手間かけるとSATA3対応
そのままではSATA3非対応だが、ファームを9260-8iのものに書き換えることで対応させることができる。
で、届きました。
RAIDコントローラー届いた pic.twitter.com/6pI99ljZt0
— げんまいろえ (@kqlg4) 2019年9月23日
ファーム書き換え
※ ファー厶の書き換えはパーツやPCの破損に繋がる恐れがあります。以下を参考にした場合も、手順や発生したトラブルについて一切の責任を負いません。
DOSとファームウェア等の準備
rufusを使って、USBメモリにDOSを焼く。ブートの種類はFreeDOS。
USBメモリのルートにMegaRec.exeなどのツール一式をコピーする。ツール一式は以下からダウンロードした。 www.mediafire.com LSIのサポートページから、9260-8iの最新ファームを入手して、USBのルートにコピーする。 www.broadcom.com書き換え
USBからブートして、以下のコマンドを実行していく。なお、コマンド中の'0'はPCIカードのインデックスとなるため、書き換え対象のRAIDコントローラーのみ挿した状態の方が安全と思われる。
TypeとFirmware Versionが書き換わっていれば成功。
N8103-130のSBRとファーム書き換えて9260-8iとして動作させることに成功 pic.twitter.com/p0vhixLF9H
— げんまいろえ (@kqlg4) 2019年9月24日
RAIDアレイ構築
RAIDアレイを構築していく。ディスクは余りパーツのSATA SSD 2台に、同モデルを2台買い足した計4台。モードは1台の障害を許容できるRAID5とした。
Samsung SSD 250GB 860EVO 2.5インチ内蔵型 5年保証 正規代理店保証品 MZ-76E250B/EC
- 発売日: 2018/02/02
- メディア: Personal Computers
4台のディスクを無造作においておくわけにもいかないので、2.5inchディスクを4台収容できるモジュールラックを購入。
CREMAX HDD&SSDx4台搭載可能モジュールラック ホットスワップ
- 発売日: 2015/08/25
- メディア: Wireless Phone Accessory
こんな感じで設置。早いとこケースを買わなければ...。
ToDo: 画像を追加する
起動後、[Ctrl+H]でWebBIOSに入る。
[Configuration Wizard]を選択。
New Configurationを選択。
Manual Configurationを選択。
対象のディスクをDrive Groupsに追加する。
Drive GroupをSpanに追加する。
RAIDの設定。以下のポリシーで設定した。
項目 | 値 | メモ |
---|---|---|
Access | RW | R/W両方許可する。 |
Read | Nomal | Aheadにするとシーケンシャルリードの速度が上がる。 |
Disk cache | Enable | Enableにするとディスクのキャッシュを利用して、読み込み速度が上がる。 |
I/O | Direct | Directの方が読み書きが早いらしい。 |
Disable BGI | No | Back Ground Initialzationを有効にする。 |
Default Write | Always Write Back | キャッシュに書き込まれた時点で処理完了させて、書き込み速度を上げる。電源が不意に落ちた場合などはデータロスする可能性がある。 |
データストア追加
構築したRAIDアレイをESXiのデータストアとして追加する。
"megaraid1"という名前でデータストアを作成した。
パフォーマンス測定
ゲストOS(Windows10 64bit)から、作成したRAIDアレイのパフォーマンスを計測する。ディスクプロビショニングは一番速度の出るEager Zeroedとした。
...。
計測結果は以下。書き込みの遅さが気になる。シーケンシャルのQ8T1とQ1T1で速度がほぼ同じなので、どこかに帯域のボトルネックがあるのだろうか。調べてもよくわからなかった。
同じSSD2台でRAID0アレイを作成した時の速度は以下。懐かしい。
ウォォ速い pic.twitter.com/UT30HIxjJo
— げんまいろえ (@kqlg4) 2015年8月10日
そして、これを軽々と凌駕するNVMeはとてつもないことがわかった...。 keroqueue.hatenablog.com
所感と雑記
SSD4台のRAID5アレイを構築したが、速度はNVMeのSSDx1に完敗だったので、速度/価格のコストパフォーマンスはいまいち。(そもそも速度を求めるならRAID0だが。)NVMeが対応しているマザーを使う且つ障害を気にしないのであれば、SATA SSDを使ったRAIDよりもNVMeのSSDx1を使った方がいいと言える。
しかし、ファームの書き換えやRAIDのポリシー設定などはそうそう経験できることではなく、楽しかった&勉強になった。