Ryzen 7 3800X でニュー・PCを組む ベンチスコアやOC性能やいかに
概要
AMD第3世代Ryzen、Zen2のひとつであるRyzen 7 3800Xを使ってニュー・PCを組んだ話。
パーツ選定や組み込み工程、各種ベンチスコアやOC性能についてのログ。
モチベーション
旧構成
旧構成は以下。
種別 | 名前 | メーカー | 備考 |
---|---|---|---|
CPU | Core i7-3770 | Intel | - |
GPU | ROG-STRIX-RTX2060-O6G-GAMING | ASUS | - |
マザー | P8Z77-V | ASUS | - |
メモリ | W3U1600HQ | CFD | 4GBx4 |
ストレージ | MZ-75E250B | Samsung | 250GBx2でRAID0構成 |
ストレージ | WD10EZEX | WD | 1TB |
電源 | SST-ST75F-P | SilverStone | 750W 80PLUS Silver |
ケース | H440 | NZXT | ミドルタワー |
モニター | 29EA93-P | LG | 2560×1080 |
やったこと
パーツの選定と入手
CPU
5マン+αくらいを上限として、Intel, AMDの上位モデルから価格順にリストアップ。
- 9900k
- 9700k
- 3800X
- 3700X
ゲーミング性能を調査。今回重視するのはFF14でオブジェクト数が多い高負荷時のパフォーマンス。すなわち漆黒ベンチの最小フレームレートの高さである。
最小フレームレートの情報は以下の記事に記載があった。
ASCII
ascii.jp
ASCIIの結果はすべてのCPUで横並びとなっているが、4Gamerでは9900kがFHDで頭ひとつ抜けて最小フレームレート70を叩き出している。両者の違いは恐らくGPUの違いによるものだろう。また、9900kは高解像度による影響を受けるようで、2560x1440では3700Xに抜かれている。
現在使用しているモニターは2560x1080なので、FHDとWQHDの間くらいと考えると、9900kと3700Xの差はほぼ埋まるだろう。また、3800Xは3700Xの選別品であり、価格差程の性能差はないだろうと考えて、CPUは3700Xを選択。
...ところが、購入したいタイミングで3700Xが定価で手に入らない状況だったため、結局3800Xを購入した。なんにせよ初AMDなのでわくわくが止まらない。
AMD Ryzen 7 3800X with Wraith Prism cooler 3.9GHz 8コア / 16スレッド 36MB 105W【国内正規代理店品】 100-100000025BOX
- 発売日: 2019/07/07
- メディア: Personal Computers
きたた〜 pic.twitter.com/KOtXG1WkDk
— げんまいろえ (@kqlg4) 2019年7月21日
M/B
規格
主にゲーミング用途で拡張する予定がないので、この際ITXで小型にしてしまおうか迷ったが、気になるケースがATX用なのと、エアフローが気になったのでATXとした。チップセット
最新チップセットはX570となるが、X470の後継というよりは上位版という位置づけのようで、また発売したばかりということもあり価格が高い。
また、X570の目玉はPCIe 4.0だが、そのバス速度を活かすには対応するSSD、GPUを用意する必要がある。そして、X470でもBIOSアップデートでZen2に対応しているマザーが多い。
以上の理由から、チップセットはX470を選択。M/B メーカーはデザインの観点からグラボに合わせてASUS ROGとし、いくつかリストアップ。 www.asus.com www.asus.com
X470-Fはサイバーなんたらの文字が気に入らなかったのと、丁度未使用品が安く手に入ったのでC7Hを選択した。
メモリー
RGBで光るDDR4-3200中から、デザインが気に入ったG.Skill Trident-Z F4-3200C16D-16GTZRXを選択。 www.links.co.jp
SSD
M.2 NVMeで500GB程度のSSDの中から、ADATA XPG SX8200 Pro ASX8200PNP-512GT-Cを選択。
ケース
ATX対応のなるべく小型でお洒落なケースの中から、NZXT H510 Elite Blackを選択。
NZXT H510 Elite 前面+側面ガラスパネル RGB LED発光&ファン制御機能搭載 [ White & Black ] CA-H510E-W1
- 発売日: 2019/07/20
- メディア: Personal Computers
冷却パーツ
CPUクーラーは280mmラジエーターの簡易水冷クーラー、NZXT Kraken X62を選択。
H510 Eliteは全面の140mmRGBファン2機と背面の120mmファンが付属するが、120mmファンは光らないため、120mmのRGBファンを追加で購入することにした。
上面は旧構成の140mmRGBファンを流用する。
NZXT 水冷システム [ ラジエータサイズ : 315x143x30mm・140mmファンx2基 ] KRAKEN X62
- 発売日: 2016/12/20
- メディア: Personal Computers
NZXT Aer RGB 2 発光ファン [ 120mm ] HF-28120-B1
- 発売日: 2018/10/23
- メディア: Personal Computers
新構成
新構成は以下。
種別 | 名前, 型番 | メーカー | 備考 |
---|---|---|---|
CPU | Ryzen 7 3800X | AMD | - |
GPU | ROG-STRIX-RTX2060-O6G-GAMING | ASUS | - |
マザー | ROG-CROSSHAIR-VII-HERO-WI-FI | ASUS | - |
メモリ | Trident-Z F4-3200C16D-16GTZRX | G.Skill | 8GBx2 |
ストレージ | XPG SX8200 Pro | ADATA 512GB | |
ストレージ | WD10EZEX | WD | 1TB |
電源 | SST-ST75F-P | SilverStone | 750W 80PLUS Silver |
ケース | H510 Elite | NZXT | Black |
CPUクーラー | Kraken X62 | NZXT | 280mm ラジエーター |
モニター | 29EA93-P | LG | 2560×1080 |
セットアップ
やっていくぞ。
— げんまいろえ (@kqlg4) 2019年7月26日
組み込み
マザーにCPU, メモリー, グラボ, 電源を接続して、最小構成での動作確認をする。
CPUをセット。AMD CPUは初めて扱うけど、面白い構造してるね。CPU側の足を挟んで固定する。
メモリーをセット。
SSDをセット。
CPUクーラーを…と思いきや、AM4用のブランケットが入ってない…。外箱のシールにはAM4と書いてあったが、ロットが古いようだ。ショップに交換依頼を出して、とりあえずリテールクーラーを使うことに。
余りパーツのグラボと電源、その他もろもろをセットして、電源ON。リテールクーラーもなかなかお洒落。UEFIがあがることと、接続したデバイスが認識されていることを確認。
ケースにセットして、配線する。いい感じ。
BIOS アップデート
BIOSのアップデートを実施。手順割愛。
CPUクーラー改装
紆余曲折あったが、代理店からAM4用ブランケットが届いたのでCPUクーラーを交換した。冷却性能もさることながら、見た目もいい感じ。個人的に簡易水冷ユニットはKrakenシリーズ一択。
設定
メモリOC
UEFIから簡単に設定できる。[Extreme Tweaker] - [Ai Overclock Tunker]で"D.O.C.P. Standard"を選択して、[Memory Frequency]を適切な値にしてあげるだけ。無事OSが上がったら、メモリ周波数を確認する。電源オプション
AMD Chipset Driversをインストールすると、Ryzenに適した電源オプションが追加される。ベンチを回す時はHigh Performanceに、普段はBalancedを選択している。
各種測定
本項目は、2019 9/19 配信のBIOS 2801 を適用した状態で実施している。
CPU
とりあえずCinebench R20でパフォーマンスを測定する。結果は以下。
- デフォルト
マルチコア4769pts, シングルコア496pts。
Afterburnerのログをsplunkに取り込んでタイムチャートを見てみる。マルチコアで負荷がかかっているときの動作クロックは4.2GHzくらい。低負荷時は4.5GHzくらいまでしっかり回る時がある。 温度はCPUクーラーを全力で回して70℃超え。結構熱くなる。
- マニュアルOC
初めてのCPUマニュアルオーバークロックに挑戦。Ryzen Masterを使って25MHz刻みでクロックを上げていき、ベンチを完走したらクリアとする。
この環境では、4375MHzまでクロックを上げて完走させることができた。スコアは5028pts。
4400MHz以上でもRyzen Masterのテストは通るが、ベンチ完走前にエラーで止まってしまった。原因はよくわからなかった。
ストレージ
全構成ではSATA SSDのRAID0 構成だったが、それに比べてもかなりの数字を叩き出している。MVNe、恐るべし。
ゲーミング性能
お待ちかねのゲーミング性能。例によってFF14 漆黒ベンチを回す。CPUはデフォルト。
旧構成とのスコアの比較は以下。最低フレームレートが底上げされて、スコアもかなり伸びていることがわかる。
旧構成 | 新構成 | 比 | |
---|---|---|---|
Score | 11496 | 14719 | 1.28 |
平均フレームレート | 87.49484 | 102.5857 | 1.17 |
最低フレームレート | 36 | 42 | 1.16 |
ローディングタイム | 20.192sec | 10.451sec | 0.52 |
AfterburnerログをSplunkへ取り込み、フレームレートと負荷のグラフから課題だったCPUボトルネックが改善したかどうかを見ていく。
GPU負荷は100%で張り付く時間が明らかに増えており、ボトルネックが改善されていることがわかる。なお、序盤の最低フレームレートが出ているところはGPU負荷が100%なので、ボトルネックによるものではないと予想がつく。
以前のグラフはこちら。 keroqueue.hatenablog.com
所感と雑記
PC自体組んだのは7月だったのだが、零式攻略などしてるうちにダラダラと公開が延びてしまった。 あまりパーツでサーバー用PCを組んだので、そのうちそれもログに残したい。