keroqueue logs

アウトプット癖をつけるために始めました。何を書くかはよくわかりません。


Cisco L3スイッチと無線APで自宅ネットワークを構築する#1 VLAN間ルーティング

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概要

Cisco Catalyst 3560CGとWAP150を使ってお家ネットワークを構築する話。
各機器の購入経緯と3560CGを使ったVLAN間ルーティング、インターネットに出るための設定あたりまでのログ。

モチベーション

  • ネットワーク、さっぱりわからん
    ので、勉強のついでに少し本格的なネットワークを構築することにした。

旧構成

NECWiFiルーターを使用した一般的なホームネットワーク。 f:id:keroqueue:20200119162716p:plain

やったこと

ネットワークの要件出し

ネットワークわからないなりに、以下の要件をひねり出した。

  • VLANを使ったセグメントの分割
    Home, Lab, Guest的な感じでブロードキャストドメインを分割する。

  • セグメント間の通信にルールを設ける
    セグメント間の通信は可能にしたいが、ルールを設ける。Homeセグメントにいる機器はLabセグメントと通信できるが、Guestセグメントとは通信させないなど。

  • 上記要件を無線LANにも適用する
    SSIDを複数用意して、任意のセグメントに所属させる。

機器の入手

「よくわからないけど、L3スイッチってやつを使えばVLAN切ってVLAN間ルーティングができるんでしょ?」
ということで中古のL3スイッチを漁ったところ、Catalyst 3560CGの外観がとても気に入ったのでこれに決定。
見た目は重要。趣味なので。 www.cisco.com

無線APはCiscoのWAP150を中古で購入。3560CGとお揃いのお豆腐感があっていい。 www.cisco.com

で、買いました。 f:id:keroqueue:20200119071737j:plain

3560CG。10ポートで1-8はPoE対応。コンソールはRJ45とUSB-mini。 f:id:keroqueue:20200119071531j:plain f:id:keroqueue:20200119071703j:plain

WAP150。アンテナが飛び出さないシンプルな外観。PoE対応だけどACアダプタが付属していて親切。 f:id:keroqueue:20200119064431j:plain f:id:keroqueue:20200119064507j:plain

ネットワークの設計

以下のようなネットワークを構築する。 f:id:keroqueue:20200124003450p:plain

3560CGの設定

3560CGを設定していく。(このあと滅茶苦茶ググった。)

初期設定

初期化&電源投入後、設定のためにスイッチをPCとシリアル接続する。
シリアルケーブルを持ってないので、USB-miniコンソールポートを使用してPCと接続することにした。(昔PSPとPCを接続するときに使っていたケーブルを引っ張り出してきた。)
以下の設定でシリアル接続すると、プロンプトが返ってきた。

項目
ボーレート 9600
データビット 8
ストップビット 1
パリティ なし
フロー制御 なし

enableパスワードを設定する。

> enable
# conf t
(config)# enable secret <password>
(config)# service password-encryption

タイムゾーンを設定する。

(config)# clock timezone JST 9

ntpサーバーを設定する。

(config)# ntp server ntp.nict.jp

管理インターフェイスを設定して、GigabitEthernet0/10 に管理用VLANを当てる。

(config)# interface vlan1
(config-if)# ip address 10.0.0.16 255.255.255.0
(config-if)# no shutdown
(config-if)# exit

(config)# interface gigabitEthernet 0/10
(config-if)# switchport access vlan 1
(config-if)# switchport mode access
(config-if)# no shutdown
(config-if)# exit

sshの設定をする。

(config)# username <username> pssword 0 <password>
(config)# line vty 0 4
(config-line)# transport input ssh
(config-line)# login local
(config-line)# exit

(config)# ip ssh version 2

VLAN間ルーティングの設定

これ以降はポート10からSSH接続をして設定を行う。
L3スイッチ内のルーティングの概念は下図。
L3スイッチ内の仮想ルーターゲートウェイとして動作するSVI(Switch Virtual Interface)を設定し、各VLANと関連付けることでVLAN間ルーティングを実現する。

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まずはルーティングを有効化する。

(config)# ip routing

VLANを作成して、SVIを関連付ける。

(config)# ip routing
(config)# interface vlan 10
(config-if)# name Home
(config-if)# ip address <address> <mask>
(config-if)# no shutdown
(config-line)# exit

(config)# interface vlan 30
(config-if)# name Lab
(config-if)# ip address <address> <mask>
(config-if)# no shutdown
(config-line)# exit

(config)# interface vlan 50
(config-if)# name Guest
(config-if)# ip address <address> <mask>
(config-if)# no shutdown
(config-line)# exit

物理ポートへVLANを割り当てる。

(config)# interface range gigabitEthernet 0/1 - 4
(config-if)# switchport access vlan 30
(config-if)# switchport mode access
(config-if)# no shutdown
(config-if)# exit
(config)# interface range gigabitEthernet 0/5 - 8
(config-if)# switchport access vlan 10
(config-if)# switchport mode access
(config-if)# no shutdown
(config-if)# exit

DHCPの設定

まずはDHCP poolを作成する。デフォルトルートは各SVIのIPアドレスを設定する。

(config)# service dhcp
(config)# ip dhcp pool Home
(dhcp-config)# network <network> <mask>
(dhcp-config)# default-router <address>
(dhcp-config)# exit

(config)# ip dhcp pool Guest
(dhcp-config)# network <network> <mask>
(dhcp-config)# default-router <address>
(dhcp-config)# exit

次に各DHCP poolのIPレンジを設定する。仕様上"割り当てないIPレンジ"のみ設定可能なので、以下のようにレンジを表現する。 f:id:keroqueue:20200120005701p:plain

(config)# ip dhcp excluded-address <start-address1> <end-address1>
(config)# ip dhcp excluded-address <start-address2> <end-address2>

ルーテッドポートの設定

外への通信を実現するために、ルーテッドポートを設定する。
ルーテッドポートには、ルーター側LANポートのセグメントのIPを割り当てる。

(config)# interface gigabitEthernet 0/9
(config-if)#no switchport
(config-if)#ip address <address> <mask>

デフォルトルートには、ルーテッドポートに割り当てたIPを設定する。 これで、外へ出る通信がルーテッドポートに向く。

(config)# ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 <address>

設定の保存を忘れずに。

(config)# copy run start

ルーターの設定

ルーター側の設定。

スタティックルートの設定

各VLANへの通信がL3スイッチのルーテッドポートを向くように、ルーターの設定画面でスタティックルートを設定する。
各VLANのネットワークアドレスへの通信のゲートウェイがルーテッドポートとなるようにする。

以上で、VLAN間の通信とインターネットへの接続が可能になった。

所感と雑記

今回はここまで。次回は無線APの設定とL3スイッチのトランクポート周りの設定について書く予定。
作図、むずかしい...。